飲食店(ラーメン屋)アルバイト

人生で初めて、長い時間、決まった日数を働くという経験をさせてくれたラーメン屋の話です。
働き始めた当初は、メモ帳を持つという習慣もないくらいに社会経験のない人間でした。

まず一番最初に教えてもらったことは「メモ帳を明日から持ってきてね。」だったのを覚えています。

働き始めは覚えることが沢山あり、大変な思いをしました。
私には同期がいました。私に反して同期は今までにいくつかアルバイトを経験していて、物覚えもとてもよかったです。
次第に離れていく業務的立場、その人が盛り付けをし、私は下準備や皿洗い、そのギャップに劣等感を抱いた事もありました。

何か月かの時間が過ぎた頃、その動機が連絡もなしにアルバイトに来なくなったのです。急な出来事でした。
盛り付けなどの仕事に抜擢されたのが私でした。この頃になっても、仕事を覚えるのが遅いのは変わらなかったのですが、
ひとつずつ時間をかけて確実に仕事を覚えていきました。

その結果、店長や責任者からとても嬉しい言葉をもらえたのです。
「辞めた人、覚えるのは早いが、定着せず忘れる事も多発し困っていた。それに比べて、覚えるのは確かに遅いけど、
それでもしっかり覚えて仕事を丁寧にこなしてくれる君は非常に助かっている。」と。

涙が出そうになるくらい嬉しかったです。正直に言うと、仕事を覚えるのは遅いし、要領が悪いんだろうなあ、
というマイナス思考を抱えていた事もあった為、まさかこんな言葉をかけてもらえると思っていませんでした。

私が進学で辞める頃には、調理の一部も任されるほどに信頼される立場になっていました。
勤務時間も長く、辛い事も多かったですが、得たものも非常に多かったと思います。
何より辛さを遥かに超えるくらい楽しかったし、やりがいもありました。最後にはみんな笑顔で送り出してくれ、本当に、本当に嬉しかったです。